2016年12月24日土曜日

『7つのデータベース 7つの世界』Eric Redmond (著), Jim R. Wilson (著), 角 征典 (翻訳)



これはスゴイ本だ。

ずっとこんな本を求めていた。本書の「はじめに」には「本書の対象者は、現代のデーターベースの展望を理解したいと考えている経験豊富な開発者だ。」とある。展望を理解する、そう、いま注目のデータベースを俯瞰的に眺めて、長所と短所が比較にもとづいて明確に説明されている。しっかりとした調査と経験にもとづくこういう説明を受けられることは皆無だ。この本の形式は定番になってほしい。

そもそも本書は、著者が『7つの言語 7つの世界 』(Bruce A. Tate (著), まつもとゆきひろ (監訳), 田和 勝 (翻訳))の書き方を素晴らしいと感動したことことから書かれている。

この形式の本は2冊目ということだ。ぜひ定番になってほしい。そして時代とともに更新されるようになってほしいものだ。

著者がオープンソース界の重鎮エリック・レイモンド(『伽藍とバザール』の著者)なのだから、当然内容は薄っぺらなものではない。1つ1つのデータベースの説明内容は駆け足で特徴を抑えることに重点を置いているとはいえ、本質を突く深い内容だ。すべてのサンプルコードが動作するものというのも興味深い。

例えば僕のような現場を離れて久しいマネジメント層や、開発現場ではなく発注側のエンジニアでも、本書を読めば、それぞれのデータベースの専門家と対等に話ができるだろうし、どのデータベースを選ぶべきかの議論に価値ある助言をできるようになるだろう

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