2017年1月6日金曜日

知能は遺伝するに決まっているじゃないか

「芸術やスポーツは才能が必要だけど、勉強は努力すれば誰でも平等に向上する」とオトナは言うけど、「んなこたーない。」ということはごく一部の秀才を除くすべての小学生が知っている。子供でもわかることがなぜ大人にはわからないのだろう。

進化論(ダーウィニズム)を信じるならば、知性が遺伝しなければ、人間はどのように高度な知性を獲得したのかが説明がつかないではないか。そして、個体差があるのは当たり前だ。

だからこの記事のタイトルの問いは実に馬鹿げている。分かりきっていたことなのだから。


しかし、どの程度が遺伝の影響で、どの程度なら努力で獲得できる能力なのだろうか。上の記事では『日本人の9割が知らない遺伝の真実 (SB新書) 』(安藤寿康 著)の内容として次のように紹介してる。


安藤教授らの研究プロジェクトでは、18年間総数1万組の双生児ペアについて、知能・学力や性格、精神疾患や発達障害などを調査しました。その結果、神経質、外向性、開拓性、同調性、勤勉性といった性格については30〜50%が遺伝で説明できることがわかりました。また知能については70%以上学力は50〜60%程度が遺伝で説明されました。

双生児法を用いた行動遺伝学研究はいまや世界各国で膨大な研究の蓄積があり、音楽や執筆、数学、スポーツに関しては遺伝の寄与率は80%にもなるという報告もあります。


間違えてはいけないのは、遺伝なので当然親の影響を受けるが、それは親の特徴をそのまま受け継ぐということではないということ。

この数字の受け止め方は人それぞれだろう。この数字を受けて親はどのように努力すればいいのだろうかと考えているところに、こんなことをぶち込んでくる。これは(僕にとっては)新しい知見だ。


行動遺伝学が導き出した重要な知見の1つは、個人の形質のほとんどは遺伝と非共有環境(家族のメンバーを異ならせようとする環境)から成り立っていて、共有環境の影響はほとんど見られないことです。共有環境をつくる主役は親(または親にあたる人)であり、親の愛情ある子育てが子どもの成長に重要であることはいうまでもありませんが、その親がどんなふるまいや子育ての仕方をするということは、子どもの個人差にはほとんど影響を与えません


けっこう衝撃的な内容じゃないでしょうか。親のなくとも子は育つの科学的裏付け?

親の役割は良い非共有環境を与えてあげることか!  ...と思いきや、


学力の場合、さらに20〜30%程度、共有環境の影響も見られます


うーん、やっぱり親が頑張らなくちゃ!

我が子を統計的にあつかいたい親なんているわけない。自分の子は教育によって劇的に伸びるかもしれないのだから、結局、教育が大切ってことに変わりはないよね。






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